はじめに
こちらの記事は、ライブハウスでアイドルさんの写真・動画撮影を行う際におすすめの、ミラーレス一眼カメラとレンズについてまとためものです。
なお、カメラメーカーはソニーのみを対象にしております。 これは、ソニーのカメラが動画撮影にとても強いためです。 動画撮影をしないのであれば、CanonやNikonにも素晴らしいカメラが沢山あるのでぜひ調べてみてください。(肌色についてCanonやNikonが良いと言われていたりします)
カメラについて
ミラーレス一眼カメラには、「フルサイズセンサー」を搭載しているものと、「APS-Cセンサー」を搭載しているものがあります。
こちらの記事にもあるように、ライブハウスのような暗い環境では「フルサイズセンサー」のカメラを使ったほうが、ノイズが少なくなるため有利です。 また、フルサイズの方が画像サイズ (画素数) が多いので撮影した後にトリミングはしやすいです。(私が使っているカメラもフルサイズです)
ただ、フルサイズセンサー搭載のカメラだと、カメラ本体が大きいのに加えて、使えるレンズも大きくお値段も高くなってしまいます。
もしフルサイズセンサー搭載のライブ撮影用のカメラを1台選ぶのであれば、現状こちらのソニーα7IVがおすすめです。 旧機種でα7IIIというものもあるのですが、α7IVには最新のセンサー+AIが搭載されており、画質やオートフォーカス性能の点でとても優れています。 また、α7IVは 4K 60pで動画撮影できるのも特徴的です。 (α7IIIは 4K 30pまで)
一方、フルサイズセンサーのα7IVは最安値でも28万円程度するので、もしコスト重視でそこまで画素数やノイズ耐性にこだわらないのであれば、APS-Cセンサーのα6700をおすすめします。
α6700は α7IVよりセンサーのサイズや画素数では劣るものの (2600万画素)、最新のセンサーやAIオートフォーカスが搭載されており、動画においては 4K 120pで撮影できるなど、α7IVより優っている部分もあります。 動画撮影可能時間についても、センサーの小さいα6700の方がα7IVよりも長時間撮影できます。 (センサーは撮影していると発熱してくるのですが、センサーが小さい方が発熱が少なく、長時間撮影できます)
ただし、レンズの選択の幅が狭かったりはするので、注意点とおすすめのレンズを次章以降で解説します。
なお、動画しか撮影しないのであれば、APS-Cセンサー搭載のより安価なVLOGカメラ ZV-E10IIを使用する手もあります。 レンズも次章以降のものが使用できます。 ただし、手ぶれ補正がα6700に比べて弱いのと、写真撮影については、メカシャッターを搭載していない (電子シャッターのみ) ため動いているものの撮影には弱いです。
α6700とZV-E10IIの違いについてはこちらの記事を参考にしてみてください。
レンズについて
ライブ撮影で綺麗に撮影できるズームレンズはフルサイズセンサー用では 24-70mm F2.8 や、70-200mm F2.8 という仕様のレンズ (大三元レンズと呼ばれています) です。
ライブハウスの最前〜2,3列目くらいまでであれば 24〜70mmが最適ですが、ライブハウスの最後方から大きく撮影するには 150〜200mmくらいが必要になってきます。
また、F2.8の2.8の数字が小さければ小さいほど光を沢山取り入れられるので、ノイズが少ない写真を撮影できます。ライブハウスでの撮影では、F2.8がベストですが、大きくてもF4までにしておいた方が良いです。
なお、α7IV・α6700向けにレンズを購入する際には、「Eマウント」用 (ソニー用) のものを購入してください。
フルサイズセンサー用レンズ
ライブハウスで使える安めのフルサイズセンサー用のレンズのおすすめは以下になります。
なお、フルサイズセンサー用レンズは、APS-Cセンサー搭載のカメラ (α6700) でも使用できます。 ただし、APS-Cセンサーで使用した場合、下記の焦点距離 (mm) を1.5倍した値が、フルサイズセンサーで同じ大きさに見える焦点距離に相当します。(例: 28mm → 42mm)
◾️タムロン 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 約9万円 540g
◾️SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary 約9万円 470g
◾️タムロン 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 約13万円 855g
APS-Cサイズセンサー専用レンズ
APS-Cセンサー用のレンズは、フルサイズセンサー用で 24-70mmに相当するレンズとしては以下があります。
◾️タムロン: 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD 約8万円 525g
(フルサイズ換算: 25.5-105mm)
◾️SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary 約7万円 290g
(フルサイズ換算: 27-75mm)
一方、フルサイズセンサーで 70-200mm F2.8 に相当するAPS-Cセンサー用レンズはなく、以下のフルサイズセンサー用のレンズを使うことで対応します。
◾️タムロン 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 約13万円 855g
(フルサイズ換算: 105-300mm)
ということで、α6700を購入する場合には、ライブ撮影用のレンズの候補は上記の3本になるのかなと思います。
なお、SIGMAとタムロンではズームをするときにズームリングを回す方向が逆なので、将来的に 70-180mmを購入するのであれば、タムロンに統一しておいたほうが良いかなとは思いました。
ただ、SIGMA 18-50mmは 290gでとても軽いので、軽いのが良いのであれば SIGMA + タムロンとするのも全然ありかなと思います。
まとめ
α6700を購入する場合の注意点としては、以下になるのかなと思います。
- APS-Cセンサー用のレンズはフルサイズセンサー搭載のカメラでは使用できないので、後になってフルサイズセンサー搭載のカメラを購入した場合に、レンズを活用できなくなってしまう。
- 売られているレンズの種類がフルサイズ用よりも少ないので、将来いろいろなレンズを試したいのであればフルサイズの方がおすすめ
ただ、動画撮影の性能については、フルサイズセンサー搭載カメラより性能が良かったりするので、
- 写真を動画の両方を撮る
- より望遠で撮影したい
- 軽い方が良い
- 安い方が良い
- ノイズが多少多くても我慢できる
という条件であれば α6700が最適ではないかと思います。